2015年度活動報告 Toggle


・5月3日
エリェナ パァヴロヴァ顕彰会会報第4号発行

・5月17日
エリェナ パァヴロヴァ墓参 横浜外人墓地にて

・8月1日
七里ガ浜にて市川みどり先生ご指導によるエリェナ作品の上演

・12月18日
東京外国語大学『春の芸術祭』にて川島京子による講演
*その他、3月5日相模湖野外バレエフェスティバルのキックオフイベントにて、エリェナが
取り上げられ、スライドショーとシンポジウムが行われたそうです。

≪ご寄贈資料の報告≫
・うらわまこと先生より ご著書『私たちの松尾明美—焼け跡に輝いたバレリーナ—』
 

エリェナ パァヴロヴァ遺品 保管の現状について
 現在、エリェナ パァヴロヴァ遺品は、主に鎌倉市文化推進課とエリェナ パァヴロヴァ顕彰会の2か所が保管しています。
 鎌倉市で保管されている遺品は、もともとは旧「エリアナ・パブロバ顕彰会」所蔵であったものですが、1986年12月に顕彰会結成の目的であった「顕彰碑建立」が果たされ、顕彰碑を鎌倉市に寄贈すると同時に、パァヴロヴァ家遺品も鎌倉市に寄贈させていただきました。その後、現在に至るまで鎌倉市が大切に保管して下さっているものです。
 その保管場所としては、1987年に地元有志の方がパブロバ記念館を設立されたことにより、一時、鎌倉市からパブロバ記念館に貸与され展示されていましたが、記念館は1996年に閉館になり、再び市が保管することになりました。それ以降は、鎌倉市が所有する国の登録有形文化財(建造物)・旧華頂宮邸の一室にスペースを設け保管して下さっていました。しかし、その後、華頂宮邸が文化推進課の管理外となったこと、古い木造建築であるために、遺品が湿・温度の変化による影響を大きく受け、激しく劣化が進んでしまったことなどにより、2013年には華頂宮での保管が限界となりました。
 その際、この日本最古のバレエ資料の歴史的価値を再認識し、専門的機関での保管をすべきと、新国立劇場情報センターでの保管が検討されましたが、鎌倉市民からの熱い要望により鎌倉市に留めることとなりました。その後、市では吉屋信子記念館(鎌倉市長谷)の一室にスペースを確保し、現在はそちらで保管をして下さっています。吉屋信子記念館も華頂宮同様、収蔵庫とよべる専用施設ではありませんが、遺品の置いてある一室を24時間エアコンを作動させることで、温度調節をしてくださっています。
 また、鎌倉市保管の遺品資料につきましては、これまで、たびたびのマスコミ取材や見学、貸し出しなどで、資料や衣裳(特に装飾品)がどんどん破損してゆくという状況にあること、またボランティアによる虫干しなどのお申し出も逆に資料へのダメージが大きいことなどから、現在はこうし
たご要望は出来るだけご遠慮いただき、現状維持に努めている状態だそうです。顕彰会では、長きにわたり遺品をお引き受け下さっている鎌倉市に感謝と敬意を表し、何らかの形でご恩返しができるよう、市のご意向に沿った形のご協力をしてゆきたいと思っております。

 なお、上に記しました通り、エリェナ パァヴロヴァ顕彰会でも、遺品を所蔵しております。これは、かつて鎌倉市に遺品が寄贈される際に、旧顕彰会の方々や関係者の皆さんが、市に寄贈するものとの重複分、また、大変貴重なものだけを別途保管しておいたもので、それらが2013年に本顕彰会再結成となった際に続々と寄贈されてきました。またさらに、ご縁のあった会員の方、顕彰会の存在を知った一般の方々からのご寄贈も集まり、結果として、写真類については、鎌倉市所蔵のお写真とほぼ同じもしくはそれを上回るものが、現在、顕彰会に保存されております。
 顕彰会では、鎌倉市のご負担を軽減するためにも、こうした写真のデータ化と貸し出しを行ってきました。今後も、散逸した資料を収集するとともに、これらのデータ化作業を続けてゆきたいと思いますので、もし、この作業にご協力いただける方がいらっしゃいましたら、是非ご一報ください。なお、写真は一般には有料での貸し出しとなりますが、顕彰会会員の主催する企画では、割引・無償の対象となります。